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Mossy stone steps climbing through a tall cedar forest on the Kumano Kodo Nakahechi trail
日本の仕組み著者 Kei · 日本生まれ、日本育ち更新 13 分で読める

熊野古道は歩く価値がある? 海外のハイカーと、日本人の参拝者や旅行者の声から

熊野古道について調べると、ネットで見つかるのは持ち物のリストやバスの時刻表が中心です。歩き始めて3日目にどんな気分になるのかは、あまり書かれていません。脚が重くなり、一日じゅう同じような森が続き、ようやく登り切った頂上でも眺めが開けないことがあります。先に短く答えておくと、実際に行った人の多くは、行ってよかったと書いています。がっかりした人の理由はいくつかありますが、いちばん多かったのは、思い描いていた山歩きとは違った、というものでした。

海外から訪れた人は、歩く価値があったと書いているか

まずは海外から来た人の声です。熊野古道の一部や全部を歩いた人、道沿いの神社を訪れた人が書いた旅行記や口コミを、Reddit、トリップアドバイザー、台湾の旅行掲示板、japan-guide.com の掲示板、Google マップから集めました。

行く価値あり(行ってよかった)
58%
条件つきで価値あり(きつさ、雨、距離、装備に備えて)
25%
がっかり(主に道そのものに)
17%
声の出どころ:熊野古道の一部や全部を歩いたり、道沿いの神社を訪れたりして、Reddit、トリップアドバイザー、台湾の旅行掲示板、japan-guide.com、Google マップに感想を書いた海外の旅行者です。52件の声を集計しました。行くと決めて足を運んだ人の口コミなので、好意的な声が多めに出ます。一方、行く価値があるかを尋ねるスレッドには疑っている人が先に集まるので、こうした集め方では辛口の声も目立ちます。アンケート調査ではなく、実際の口コミを集めたものです。

「行く価値あり」の58%から、三つの声を本人の言葉で紹介します。中辺路を4日間歩いて Reddit に旅行記を投稿した人は、「一歩一歩に、歩くだけの価値がある旅でした」と振り返り、「景色はこれまで見たどんなものとも違っていました」と続けています。日本で1か月ほど過ごし、そのうち5泊を古道で過ごした人は、旅行記の中で古道を歩いた日々を「旅全体でいちばんのハイライト!」と呼んでいます。3人目も Reddit に旅行記を書いた人です。一日じゅう雨の中を歩いてずぶ濡れになり、その格好で格式のある旅館にチェックインするのが気恥ずかしかったそうです。泊まったのは川沿いの旅館で、「今回の旅で予約した中では一泊あたりいちばん高い宿でしたが、本当にそれだけの価値がありました」と書いています。

17%にあたる、がっかりした声の理由はさまざまです。道の一部が通行止めで回り道をした人、予約サイトが分かりにくかった人、那智へ向かう最後の日がとてもきつかった人がいます。いちばん多かったのは、思っていた山歩きと実際の道との差でした。滝尻王子から本宮までの区間についてトリップアドバイザーに口コミを書いた人の感想は、「野生動物はいない。2日間で見たのは鳥が3羽と、毛の生えた何かのお尻だけ」というものでした。「普通」の評価をつけるのは心苦しいと断ったうえで書いた人は、「期待はほどほどにしておいたほうがいいと思います……ほとんどの区間は、それほど体力を使う山歩きではありません。道はとてもよく整備され、標識もしっかりしていて、ある意味で、謎めいたところや楽しさが取り除かれてしまっています」と記しました。別の口コミには、歩く道の多くが「(これまでに見たどの旅行記にもパンフレットにも説明がなかったのですが)杉だけを植えた単一植林の森」だったとあります。同じ人は文化の面ではすばらしかったと書く一方で、終点の那智大社については「観光客は楽をしてバスで大勢やって来るので、夜遅くか朝いちばんでなければ、とても混んでいます」と書いていました。こうした人たちが期待していたのは景色のよい山歩きで、実際に歩いたのは神社へ向かう長い道でした。その道の多くは、木材をとるために植えられた杉の中を通っています。

日本人の旅行者や参拝者は、同じ道をどう感じたか

次は、古道を歩いたり大社にお参りしたりした日本人の声です。じゃらんとフォートラベル、トリップアドバイザーに書かれた口コミと、ヤマレコに本人が残した山行記録から集めました。先ほどの海外からの不満と重なるところもありますが、重なるのは一部だけです。

大切な思い出(行ってよかった)
70%
区間しだいで価値あり(体力と天気に合う区間を選んで)
22%
つらかったところ(夏の暑さ、長い石段、雨)
8%
声の出どころ:熊野古道や熊野本宮大社を訪れた日本人の旅行者が、じゃらん、フォートラベル、トリップアドバイザーに書いた口コミと、ヤマレコに残した山行記録です。102件を集計しました。行くと決めて足を運んだ人の口コミなので、好意的な声が多めに出ます。

赤の帯は8%だけです。それでも、日本人にとって楽な道だというわけではありません。歩く道のところどころで、海外の人が書くのと同じくらいへとへとになったと書いた日本人の口コミがいくつもあります。違うのは、その苦しさを何のためのものと受け取るかです。初めて古道を歩いた人がじゃらんに書いた口コミがあります。バス停から大社まで約20km、ほとんど杉の山の中を上り下りした一日でした。その人は「古道歩きは、景色や雰囲気を楽しむものかと思い込んでいましたが」と書き、歩き終えたところで「大社に詣でる前に、足を棒にして苦しんで、日頃の汚れを落として、その後に、参拝することに意味があるのかな」と気づいたそうです。高野山から熊野本宮大社まで歩いた人も、じゃらんに「熊野本宮大社にたどり着くと、長く辛かったいくつもの峠越えの疲れも吹き飛んでしまうくらいの、心が洗われる場所でした」と振り返っています。どちらの話でも、そこまでの苦しさは、たどり着いたときの意味と切り離せないものとして書かれています。

日本人の口コミと山行記録102件のうち9件は、道で一緒になるほかの人のことにも触れています。海外から来た人たちのことです。紀伊田辺駅から登山口へ向かうバスについて、ヤマレコの記録に「乗客は10人くらい、まず日本人は自分だけでした」と書いた人がいます。3年ほどかけて紀伊山地の参詣道をすべて歩いた人は、じゃらんに「外国人の方が多いのには驚きましたが皆さんすれ違うたびに挨拶はされてましたね」と書きました。ヤマレコに記録を残した別の人は、前泊した紀伊田辺でも、古道でも、温泉の宿でも、大社でも「8-9割が外国人」で、「日本語を聞くことが少ない」と記しています。どれも文句の調子はなく、旅で目にしたことの一つとして書き留められています。

熊野古道の小辺路を通る土の道。両側にはまっすぐ高く伸びた幹が並び、枝のねじれた古い木も何本か立っています。上から光が差し込み、木々の向こうに眺めは見えません。
高野山から本宮へ向かう熊野古道の小辺路の森です。まっすぐ高く伸びた幹が並び、遠くまでの眺めはありません。口コミを書いた人の何人かが、一日の多くをこうした森の中で歩いたと書いています。Photo by VKaeru / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons

行く前に知っておきたいこと

熊野古道は、2004年にユネスコの世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」として登録されました。熊野三山、高野山、吉野・大峯の三つの霊場と、それらを結ぶ参詣道からなる世界遺産です。道の中には1,200年近く前から人が歩いてきたものもあり、巡礼の習わしは今も続いています。登録された道は2004年の時点で約307kmあり、2016年に約40kmが加わって、今は和歌山県・奈良県・三重県にまたがる約347.7kmになりました。ユネスコは登録の理由として、神道と仏教が融け合ってきたこと、霊山を敬う伝統が1,200年以上守られてきたこと、宗教の儀式が今も行われていること、儀式のためにも山歩きのためにも多くの人が訪れていることを挙げています。今も信仰の道として使われているというこの性格が、登録の決め手になりました。先ほどがっかりしたと書いた人たちが引っかかっていたのも、この性格でした。ただ、本人たちが口コミでそれをはっきり書いているとは限りません。

田辺市熊野ツーリズムビューローは、熊野古道とサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路を「姉妹」の巡礼路と紹介しています。ユネスコの世界遺産に登録された巡礼路は、世界でこの2本だけだとしています。2025年には、メキシコの先住民ウィシャリカの人びとの巡礼路(Wixárika Route)もユネスコの世界遺産に登録されました。ビューローは2015年2月から Dual Pilgrim という仕組みを設けていて、サンティアゴの巡礼路と、熊野古道の対象になる五つの歩き方のどれか一つを歩き終えた人は、Dual Pilgrim として登録できます。今回集めた海外のハイカーのうち5人はサンティアゴの巡礼路も歩いていて、そのうち2人の投稿には、Dual Pilgrim の証書を受け取った話が出てきます。ビューローの一覧の最初にあるのは、滝尻王子から熊野本宮大社まで約38kmを歩く方法です。ずっと短いものでは、発心門王子から熊野本宮大社まで約7kmを歩き、熊野三山のほかの二つ、熊野速玉大社と熊野那智大社にお参りする方法もあります。

「退屈な森」と書かれる区間は実際にあり、何人もの口コミにくり返し出てきます。中辺路を歩いた海外の人と日本人の何人かが、滝尻王子から本宮までのあいだに、遠くまで見渡せる場所の少ない杉の森が長く続くことを書き残しています。海外から来た人の口コミには、その杉が木材をとるために植えられたものだと書き添えたものもあります。口コミを書いた人の何人もがとくに挙げているのは、終わり近くの大門坂です。大きな杉が両側に並ぶ石段の坂で、熊野那智大社と那智の滝へと上っていきます。

大斎原の大鳥居。まわりには開けた野原が広がり、後ろには緑の丘と山が連なっています。熊野本宮大社の近くで、空は青く晴れています。
大斎原です。熊野本宮大社は1889年の洪水まで、ここに建っていました。開けた野原に大きな鳥居が立っています。本宮大社にお参りするときにあわせて寄ることを、口コミを書いた人のうち2人が勧めています。Photo by Douglas Perkins / CC BY 4.0 / Wikimedia Commons

熊野古道を気持ちよく楽しむための心得

何日歩くかを決めて宿を押さえる前に、何のために歩くのかを決めておくと、日程が組みやすくなります。いくつかの口コミでがっかりの種になっていたのは、中辺路の真ん中あたりに続く杉の森でした。尾根からの眺めはなく、野生動物もあまり見かけません。けれども、同じような動きをくり返しながら体を使ってゆっくり歩き、最後に神社へたどり着く、そういう歩き方に惹かれる人にとっては、まさにその区間が歩きに来た理由になります。先ほど紹介した2人の日本人は、そうした歩き方のいちばん分かりやすい例です。

宿の予約には KUMANO TRAVEL という窓口があります。田辺市熊野ツーリズムビューローがつくった、この地域の公式の予約システムで、道沿いの宿を直接予約できます。使った人の声は分かれていて、予約サイトが分かりにくかったと書いた人もいれば、ネットでなかなか役に立つ情報が見つからなかったのに、KUMANO TRAVEL ですべてうまく手配できたと書いた人もいます。海外の旅行会社を通して申し込むなら、その会社が何をしてくれるのかを確かめておくと安心です。海外の会社に追加の料金を払ったある人は、その会社が同じ予約を KUMANO TRAVEL に回していただけで、値段は高くなっていたと口コミに記しています。道の途中では、直接予約したほかのハイカーたちがもっとよい部屋に泊まっていたことにも触れています。

石段の多い道なので、トレッキングポールがあると心強いです。ポールが欠かせなかったという人は、道が段だらけで、つづら折りがほとんどなかったと書いています。石段は雨が降ると滑りやすくなります。集めた声の中には、登山靴とポールはほとんど必須だと書いた人も少なくとも一人います。

日程の都合で歩く区間を選ばなければならないなら、削りやすいところからそのまま外す前に、区間ごとの違いをよく比べてみてください。小口から那智までの日は、何人かがこの道でいちばんきつい日に挙げています。受け止め方は分かれていて、那智に着いたときが全行程でいちばんよかったという人がいる一方、その最後の一日で旅が台無しになったと書いた人も少なくとも一人います。

眺めのよい尾根歩きを思い描いて杉の植林の中を歩くのは、17%のがっかりした声につながった道筋の一つです。口コミを書いた一人は、それまでに見たどの旅行記にもパンフレットにも、そのことが説明されていなかったと書いています。巡礼として歩くなら、脚は疲れ、登り切った先に神社があります。歩いて熊野本宮大社までたどり着いた先ほどの2人の日本人は、まさにそういう道として書いていました。好きになった人もそうでなかった人も、多くは同じ森の区間を歩いています。それぞれがその歩きに何を求めていたかで、受け取り方が分かれました。


このあと高野山や京都をまわって関西の旅の残りを組み立てるなら、日程を決める前に読んでほしい記事があります。短い日程で、どこを優先するか迷っていたら、まずは日本で本当に大切なことから。

出典

WMJSは日本人が英語で書き、AIの力を借りて日本語にしています。日本人の目で確かめていますが、翻訳の癖が残っている文があるかもしれません。気になる一文があれば教えてください。一文で十分です。

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