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Steam plumes rising between the rooftops of Beppu at sunset, with the bay and mountains behind
どこへ行くか

日本の温泉の町と、その違い

三つの町、足元の湯への三つの答え。箱根はひとつの山にたくさんの源泉を積み重ね、城崎はひとつの湯を通り全体に配り、別府は湯があまりに多くて、入ることが日常になりました

最終確認: 2026-08-15

日数
全線をたどると6日。それぞれ単独でも成り立つ2泊ずつの3ブロックで組んであるので、ひとつだけ抜き出しても使えます
ベストシーズン
場所より先に決めておきたいのが、時期です。冷えた空気は湯気を目に見えるものにしてくれるので、別府の湯けむりの柱や鉄輪の屋根の景色は寒い季節にいちばんはっきり見えます。同じころ城崎はカニの季節で、宿は日本人のお客さんで埋まります。箱根は一年を通して過ごしやすく、東京の夏を逃れる涼しい場所にもなります
拠点
西へ移動しながら、それぞれの町で2泊します。移動のうち2回は半日ほど。最後の1回は丸一日近くかかるので、その日のところにそう書いてあります
移動手段
箱根までは小田急のロマンスカー、そこから西へは新幹線とJRの特急です。特急は指定席。地元の短い移動と町のバスは、ICカード1枚でまかなえます

このプランが合う人

  • 初めての日本よく合う
  • リピーターぴったり
  • 子ども連れよく合う
  • ひとり旅ぴったり
  • ふたり旅ぴったり
  • ゆったりペース主役ではない
行く時期Year-round

Year round, with the cold months as the window enthusiasts plan around: steam becomes visible, crab comes into season on the Sea of Japan coast, and a hot bath does more for you. Two of Kinosaki's seven bathhouses are closed for renovation at present.

どの温泉地にしようかと旅の掲示板で尋ねると、そんなに変わりませんよ、とやさしく返してくれる人がいます。お風呂はお風呂、よほどの通でなければ全国どこも似たようなものだ、と。それはそれで正直な答えだと思いますし、私は、面白いのはそこから先だとも思っています。

日本の温泉には、脱衣所の壁に一枚を掲げる決まりがあります。温泉分析書です。どの源泉から引いた湯なのか、地面から湧き出たときの温度は何度だったのか、毎分どれくらいの量が出ているのか、検査した人がその湯に何を見て、何を嗅ぎ、どんな味を感じたのか、そして酸性からアルカリ性までの物差しの上で中性からどれだけ離れているのか。たいていの人は、タオルを小脇に抱えたままその前を素通りします。一度でも読んでみると、目の前の湯船が、どこかの地面に開いた特定の穴から来た特定の湯に変わって、次の問いがひとりでにやってきます。この町は、湧き出たものをどう使うことにしたのだろう、と。

その答えが三つの町でまるで違っていて、しかも三つは遠く離れています。箱根はひとつの山の中にたくさんの湯を積み重ねました。城崎はひとつの湯を町全体に配って、通りを湯と湯をつなぐ廊下として扱っています。別府は湯があまりに豊かで、特別な出来事という感じが薄れ、仕事帰りに体を洗う場所になりました。三つとも聞きに行くなら、私はこの線をたどります。東京から西へ、それぞれ2泊ずつ。まるごと使ってもいいですし、ひと区切りだけ抜き出して、読み方だけをどの町へでも持っていっても構いません。

拠点をどこに置くか

箱根。 私なら最初の一泊は箱根湯本の近くにします。山の上のものはすべてここでつながっていますし、着いてから数分で湯に浸かれるからです。二泊目に少し上へ移ると、別の源泉と、より静かな夜が待っています。箱根は広く散らばっていて、山の上の夜は本当に暗く、そして早いです。それを好きな人もいれば、長く感じる人もいます。

城崎。 町そのものに泊まってください。ほとんどの宿が、チェックインのときに外湯のパスを渡してくれます。浴衣と下駄も一緒です。このパスこそが、この町がこういう町であることの理由です。日帰りでも来られますが、外湯は別料金になりますし、夜の十一時に下駄で歩いて帰るあの時間は味わえません。

別府。 ふたつの雰囲気から選べます。鉄輪は坂の上の湯けむりの町で、家と家のあいだの地面から湯気が立ちのぼり、地獄めぐりも歩いていける距離です。別府駅のまわりは、列車と、古い木造の共同浴場と、仕事帰りの人が使う小さな町の湯に囲まれます。私はどちらも、それぞれの旅で来てよかったと思っています。

三つの町にはそれぞれガイドがありますので、細かいところはこのページではなくそちらに置いてあります。箱根城崎温泉別府温泉です。

移動ときっぷ

箱根はきっぷ1枚で回れます。 箱根フリーパスが、電車、スイッチバックの登山鉄道、ケーブルカー、ロープウェイ、芦ノ湖の遊覧船、エリア内のバスをカバーし、新宿からの往復も含みます。つまずきやすいのは、ロマンスカーだけは別に特急料金がかかることです。パスがカバーするのは通常運賃までで、特急の指定席は含みません。金額は下の欄にあります。

箱根から西はJRです。 城崎温泉行きの特急は、京都と新大阪から上っていきます。全席指定です。当日ホームでは間に合わないので、前もって予約しておいてください。九州は小倉まで新幹線、そこからソニックで海沿いを下って別府へ入ります。

荷物は先に送ってしまいましょう。 温泉の町は細い路地と砂利と石段と古い建物でできていて、宿はキャリーケース向きにはできていません。一泊分の手荷物だけ持って、あとは配送の伝票を書く。それだけでこの旅程はぐっと楽になります。

小さな湯には小銭を。 ICカード1枚で、在来線も箱根のバスも別府の亀の井バスも通ります。例外は町の小さな共同浴場で、現金のみのところがかなりあり、入口の箱に入れる形のことも珍しくありません。小銭を持っておいてください。

箱根と、壁に貼られた分析書

The red Ajisai bridge over the Hayakawa river at Hakone-Yumoto, with the town rising behind it

ここから始めるのは、箱根がこの読み方をいちばん覚えやすくしてくれるからです。ロマンスカーは箱根湯本まで運んでくれます。言い伝えではここがこれらの湯の中でいちばん古く、いまも山じゅうの鉄道とバスがここから伸びていく乗換の要です。着いて一時間もしないうちに、湯に浸かっていられます。服を脱ぐ前に、ロッカーのそばの額に入った一枚を見てみてください。いちばん上に書かれた名前は源泉のもの、あなたの頭の上のどこかで地面に開いている穴の名前です。その下の行には、湯がその穴を出たときの温度、湧き出る速さ、検査した人が見つけた色と匂いと味、そして中性からどれだけ離れているかが記されています。箱根はふつう、十七の湯を持つ土地として紹介されます。この十七は温泉場の数え方で、浴場ひとつひとつを数えたものではありません。それぞれが自分の湯を持っています。午後のうちに越えられてしまう山にしては、不思議なほどの多彩さです。

  1. 午後箱根湯本へロマンスカーは早川沿いに入ってきて、ドアが開いた瞬間に空気が変わります。湯本は登山鉄道とバスと町が交わる場所なので、まずここに降りて荷物を置いて始めるのがいちばん楽です。この一帯は箱根ガイドできちんと扱っています。
  2. 夕方前最初の一枚を読む日帰り入浴を受けているお風呂ならどこでもいいので、入る前に分析書へ二分だけ目を通してみてください。やさしいのは知覚的試験の行です。誰かが実際にこの湯を見て、匂いを嗅いで、口に含んで、感じたことを書き留めています。そのうえで湯に入って、自分も同じように感じるか確かめてみてください。
  3. 山から人が引いていく日帰りのお客さんが下りの電車に乗ってしまうと、箱根は静かになります。宿で夕食が出るなら、ゆっくり過ごすといい夜です。出ないなら、湯本の目抜き通りが山の中でいちばん選択肢が多いです。ただ、思っているより早く店じまいします。

階を上がっていく

Sulphur-yellow ground and steam vents in the Owakudani valley, seen from above

箱根の観光協会は、この山を湯のデパートだと説明しています。階ごとに泉質が違うのだ、と。噴気孔に近い上のほうは酸性の硫酸塩泉、下のほうは塩化物泉、いちばん下は混ざり合った湯。今日はその中を上がっていきます。登山鉄道は曲がるたびに進行方向を変えて登り、ケーブルカーとロープウェイが尾根を越えて大涌谷まで運んでくれます。地面はいまも噴気を上げていて、景色より先に匂いが届きます。今夜お風呂に入れば、昨夜浸かった湯とは違うはずです。

  1. 午前スイッチバックで強羅へ箱根登山鉄道はジグザグに登り、切り返しのたびに進行方向を変えます。そのたびに運転士と車掌が前後を入れ替わります。日本の鉄道でもとりわけ愛らしい仕掛けのひとつで、フリーパスでそのまま乗れます。
  2. 昼前大涌谷、湯の生まれるところケーブルカーからロープウェイへ乗り継ぐと噴気孔の真上を渡ることになり、まだ空中にいるうちに匂いが届きます。駅のテラスからは、湯気の中をまっすぐ見下ろせます。噴気孔のあいだを実際に歩くのは別のもので、事前予約制、ヘルメット着用、安全誘導員が付き、案内は日本語のみで行われます。そこを軸に午前を組み立てる前に、知っておく価値があります。どちらにしても、ここがあのデパートの最上階です。これを見ておくと、山の下のお風呂と山の上のお風呂がどうして違って感じられるのか、いちばん早く腑に落ちます。
  3. 午後湖、あるいは彫刻の森浅瀬に立つ鳥居のある芦ノ湖は絵はがきそのもので、遊覧船もフリーパスに入っています。晴れた日には湖の向こうに富士山が姿を見せますし、見せない日もたくさんあります。ですから、山を見せてもらえて当然と思わずに、窓の景色そのものを楽しむつもりで行くのがいいと思います。同じ時間の使い方として、箱根彫刻の森美術館があります。箱根のお風呂にはそこまで熱が入らなかった旅行者が、それでも来てよかった理由として挙げるのが、たいていここです。どちらも午後いっぱい使えます。
  4. ふたつめの湯山の上へ宿を移したなら、今夜の湯は昨夜とは別の源泉から来ています。午後を噴気孔の上で過ごしたあとなら、体を沈めきる前に違いがわかるはずです。

西へ。廊下を屋外に持つ町へ

Snow on the willows and wooden inns along the Otani river in Kinosaki Onsen

今日は移動の朝です。飾らずに書きます。山を下りて、新幹線に乗り、京都から特急で北へ。街並みが後ろへ去って、田んぼの国を抜け、日本海のほうへ向かいます。着く先は、造りのすべてが箱根と違う町です。城崎は自分たちの町を、ひとつの大きな宿だと言います。しかもそれを文字どおりの意味で言っていて、駅は玄関、道は廊下、宿は客室、七つの外湯は大浴場、と名づけています。町の観光協会がその言葉でそう書いていますし、そこに暮らす人たちは実際に、その外湯を毎日の自分のお風呂として使っています。

  1. 午前山を下りて新幹線へ箱根湯本から小田原まではすぐで、小田原は新幹線が停まります。今日という日が成り立つのは、この小さなありがたさのおかげです。京都でもう一度乗り換えます。
  2. 特急で北へ城崎温泉行きの列車は福知山を通って北上し、まわりの景色が開けていきます。計画をやめて、窓の外を眺め始める区間です。指定席なので、これは前もって予約しておいてください。
  3. 夕方前浴衣と下駄と、最初の一湯チェックインして、宿が用意してくれた浴衣に着替え、下駄をつっかけます。四分ほどは自分だけ目立っている気がします。そのあと、通りの誰もが同じ格好なのに気づきます。あとは、いちばん近い外湯まで歩いて始めるだけです。それぞれの湯については城崎温泉ガイドにまとめてあります。
  4. 柳と石の太鼓橋大谿川が町の真ん中を流れ、石の太鼓橋がかかり、両岸に柳が並んでいます。夜になると灯りがともり、通りに響くのは石畳を打つ下駄の音です。どのお風呂よりも、この散歩のほうをはっきり覚えている人が多いです。

七つの戸口、ひとつの湯の町

The tiled roofs and wooden colonnade of Goshono-yu, one of Kinosaki's public bathhouses

宿の封筒に入っているパスは、外湯すべての戸を開けてくれます。今日の楽しさは、その七つがどうしても同じものになってくれないところにあります。それぞれ開かれた時代が違い、建物が違い、休みの曜日も違います。この最後のひとつが、どんなおすすめよりもあなたの一日を左右します。入れる湯は、あなたがここに立っているのが何曜日かで決まるからです。いまは二つが改修で閉まっているので、名高い七つは実質五つです。並びはコーヒーを一杯飲むあいだに端から端まで歩けるほど短く、だからみんな、昼までに三つ入ってしまうことになります。

  1. 朝食前町の人の時間早くから開いている外湯は、朝いちばんがいちばん静かです。そして、旅行で来ている人よりも、ここに暮らしている人と一緒に湯に浸かる可能性がいちばん高い時間でもあります。夏なら、熱いものに身を沈めるのにいちばんやさしい時間帯でもあります。
  2. 午前山の上の温泉寺へパスなどなかったずっと昔は、湯を開いたと伝えられるお坊さんに感謝を伝えるため温泉寺まで登り、そこで湯に入る許しとして柄杓を授けられました。登るのが気が進まなければロープウェイが上がっています。寄り道としては短く、そのぶん午後の予定をそっと組み替えてしまうくらいのものです。
  3. 午後並びをたどっていく開いているところを、通りが差し出してくれる順に入っていってください。思っている以上に湯温に幅があり、そのうちのひとつが、人にはうまく説明できない理由であなたのいちばんになります。
  4. カニか、但馬牛か、その両方か城崎は片側に日本海、もう片側に但馬牛の里を抱えていて、ここの宿の夕食は真剣な行事として扱われます。寒い季節なら、そもそもカニを目当てに予約している日本人のお客さんがかなりの数います。

西へ長い一日、終わりはとても小さな湯

The municipal steam bath at Kannawa in Beppu, with steam escaping from the roof of its bathing hall

ここは正直に言って長い一日です。城崎から新大阪へ戻り、小倉まで新幹線、そこからソニックで海沿いを別府へ。ほぼ一日が過ぎます。その長さと引き換えに手に入るのは、足元の地面がまるごと変わることです。別の火山のしくみの上に渡り、日本でいちばん源泉の数が多い、それも二位を大きく引き離している県に入ります。着いて一時間もしないうちに、それを体で感じます。ここでの最初の一湯は、たぶん住宅街の角にあるタイル張りの小さな部屋で、自動販売機の缶コーヒーくらいの値段で、仕事帰りの人が三人ほど浸かっています。

  1. 午前城崎を発つ新大阪方面へ戻る特急に乗ります。前日までに予約を。朝の便は埋まりますし、今日は余裕のある一日ではありません。
  2. 新幹線、そしてソニック小倉まで西へ行き、そこでソニックに乗り換えます。海沿いのカーブを車体を傾けながら走る列車で、疲れた体で乗るには気持ちのいい列車です。
  3. 夕方前湯けむりの中へ着く別府に入っていくと、家々のあいだの山肌から白い湯けむりの柱が立ちのぼり始めます。車内を見てみてください。まわりの誰も、そちらを見上げていません。
  4. よその家のお風呂いちばん近い町の湯を見つけて、入ってみてください。地元の温泉道の会が作法を文章にしていて、私が何度も戻ってくるのは、自分をお客さんだと思わないように、という一節です。共同の湯では、あなたは誰かのお風呂にお邪魔している側だからです。入る前にきちんと体を洗うこと。そして熱すぎると感じたら、水道の蛇口に手を伸ばす前に、声に出してそう言うこと。黙って薄めてしまうと、ほかの人がそれを目当てに来たものが消えてしまいます。この一言があるかどうかが、大目に見てもらう側と、迎えてもらう側とを分けています。

湯の生まれる場所

Steam pouring off the cobalt blue pool of Umi Jigoku in Beppu, with a red torii behind it

別府の名所は地獄と呼ばれています。ここははっきり書いておきたいのですが、地獄とは源泉そのもので、柵に囲まれて、眺めるための場所になっています。本当とは思えない色をしているものもあり、七つのうち四つは景観の価値で国の指定を受けています。そのまわりでは、鉄輪の町が湯けむりの中で普通に一日を送っています。共同の蒸し場では噴気で野菜が蒸され、側溝が息をして、人はよその町の人が郵便ポストへ歩くような足取りでお風呂へ歩いていきます。一週間かけて注意を払ってきたことが、ここでようやく元を取ります。ここの湯は、通りひとつで変わるからです。

  1. 午前鉄輪の地獄めぐり七つのうち五つは歩いて回れる距離にかたまっていて、一枚の共通券で二日にわたって全部に入れます。コバルト、灰色、泥。どれも勢いよく噴いています。どれがどれかは別府温泉ガイドにまとめてあります。
  2. 昼前台所としての湯けむり鉄輪では噴気で料理をします。卵、さつまいも、かごいっぱいの野菜を、地面の穴の上に置いて蓋をする。蒸し上がったものからは、その湯の味がほんのりします。
  3. 午後残り二つの地獄か、古い木造の共同浴場か残る二つの地獄は、海沿いをバスでもう少し行ったところにあります。町にいたければ、駅の近くの古い木造の共同浴場にはシャワーが一台もありません。床に座って、桶に湯を汲んで、自分にかける。配管が来る前はみんなそうしていた、そのやり方です。ここの湯はとてもいいです。
  4. 最後の一枚締めくくりの湯も、私なら小さいところにします。番台の上に温泉道のスタンプが置いてあって、眺めなど何もない、町の一室。分析書を読んで、湯に入って、そして足がつく前から湯の感じがわかっていたことに気づいてください。

もう1日あるなら

+1日

七日目があるなら、私は九州に使います。 由布院は別府から山を越えたところにあって、また違うことをしています。ギャラリーと工芸の店と小さな湖のある、歩く町。湯けむりの隣町よりもやわらかく、丁寧に整えられています。ここには由布院ガイドがあります。もっと内陸へ入ると、黒川温泉が木立の谷にお風呂を点々と散らしていて、日本の温泉好きに好きな湯を尋ねたとき、いちばんよく返ってくる名前です。

空いた一日が旅の前半にあるなら、箱根は一日くらい難なく吸収してくれます。美術館だけでも、湯と湯のあいだの一日が埋まります。城崎からなら、出石が気軽に行ける距離にある蕎麦屋の並ぶ小さな城下町で、三日目の朝をやさしい半日にしてくれます。

1日足りないなら

−1日

6日は、多くの旅にとって出せない長さです。もしあなたの旅もそうなら、2泊のブロックをひとつだけ取って、あとの二つは次の機会に待ってもらってください。それを妥協だと思う必要はありません。私自身、このページをそう使います。

箱根は、旅が東京を中心に組まれていて、同じ二日のうちに山と湖とロープウェイとお風呂がほしいときに。三つの中でいちばん行きやすく、その一方で、人の少ない温泉地より一泊の値が張るという評判があります。湯だけを目当てに来た旅行者は、それを感じることがあります。

城崎は、浴衣で湯から湯へと歩く、町そのものが体験になる旅がしたいときに。それに、ここは入れ墨がどの戸口も閉ざさない町です。旅行者によっては、それだけで話が決まります。

別府は、湯がいちばん豊かで、いちばん普段着の姿をしているところを見たいときに。そして、しつらえられたお風呂よりも、裏通りの飾り気のない町の湯のほうが良さそうに聞こえるなら。

どのブロックを選んでも、読み方は一緒についてきます。ここで名前の挙がらなかった町でも、同じように働いてくれます。

ここから足をのばす

その先へ

どのブロックも、無理なく大きな地域につながります。 箱根は関東の一週間の中に自然に入る休符で、東京から2泊出て、また戻ってきます。城崎は京都と大阪から伸びる関西の線のいちばん先にあって、同時に山陰への扉も開きます。同じ海沿いの鉄道が、そのまま西の鳥取や出雲へ続いているからです。別府は九州の東の端なので、九州をひと回りする旅を、寄り道扱いにせずここから始めたり、ここで終えたりできます。

寒い季節にいらっしゃるなら冬のプランに何が変わるかをまとめてあります。湯けむりが目に見えるようになり、日本海側ではカニが旬を迎え、冷えた一日の終わりのお風呂は、8月の同じお風呂とはまるで別ものになります。

知っておきたい、運賃と所要時間

壁の一枚が教えてくれること
どの温泉施設も温泉分析書を掲示しています。源泉名、源泉での温度、毎分の湧出量、知覚的試験(色、濁り、味、におい)、pH、そこから決まる泉質です。25度未満は冷鉱泉、25〜34度は低温泉、34〜42度は温泉、42度以上は高温泉。pH3未満が酸性、pH8.5以上がアルカリ性です。数値はあくまで検査した日の測定値で、その後もずっと同じだとは限りません。
箱根フリーパスと、そこに含まれない料金
新宿からの箱根フリーパスは大人7,100円、子ども1,600円、有効期間2日。往復に加えて、箱根エリア内8種類の乗り物が乗り放題です。ロマンスカーには別に特急料金がかかり、新宿から箱根湯本まで片道1,200円がパスに上乗せされます。所要は80分ほどです。
小田急電鉄(公式)確認時点: 2026-08
箱根:十七の温泉場、およそ二十の泉質
箱根は十七の温泉場を数えます。湯本、塔之沢、堂ヶ島、宮ノ下、底倉、木賀、芦之湯という歴史ある箱根七湯から広がったものです。あわせて一日およそ25,000トンの湯が湧き、湧出量は日本で5番目、泉質はおよそ20種類にわたります。観光協会はこの幅を、地上4階地下1階のデパートにたとえています。最上階が酸性の硫酸塩泉、2階が塩化物泉、1階と地下が塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩の混ざった湯です。湯本は言い伝えでいちばん古く、738年とされています。
大涌谷:テラスは自由、噴気地帯の遊歩道は予約制
大涌谷の噴気地帯を歩く一周およそ700mの遊歩道は2015年5月から閉鎖され、2022年3月28日以降、事前予約のガイド付き入場のみで再開しています。1日4回、10:00、11:30、13:00、14:30の出発、1回30名、所要およそ40分、ヘルメット貸与、当日キャッシュレスで支払う安全協力金が1人800円です。悪天候や火山活動の状況によって中止になります。誘導員は日本語のみで、協会は日本語が分かる方のみの申し込みをお願いしています。ロープウェイの駅とそのテラス、湯けむりを見渡す景色には、これらは必要ありません。
城崎:外湯の料金と、パスがカバーする範囲
城崎の外湯の1回の入浴料は、大人800円、3歳から小学生までの子ども400円です。町に泊まるお客さんには、チェックインのときに外湯パス「ゆめぱ」が渡されるのがふつうです。日帰りの方も、同じ1日パスを各外湯の窓口で大人1,500円、子ども750円で買えます。七つはすべて同じ泉質、ナトリウム・カルシウム塩化物泉42度の湯を引いていて、そのうえで観光協会は、外湯どうしが時代と建物と湯温で違っていると書いています。すべての外湯が大きさを問わず入れ墨を受け入れていて、これは日本ではめずらしいことです。
いまの城崎:七つの外湯は現在五つ
鴻の湯は2026年5月11日から2026年10月30日まで改修で休館、さとの湯は2024年4月1日から改修で休館しています。残る外湯はそれぞれ違う曜日を定休日にしていて(鴻の湯は火曜、まんだら湯と一の湯は水曜、御所の湯と柳湯は木曜、地蔵湯は月曜)、7:00に開くところもあれば15:00に開くところもあります。特定の外湯を軸に予定を組む前に、曜日を確かめてください。
城崎温泉への行き方
東京からは、新幹線で京都へ、そこから特急きのさきに乗り継いで、全体でおよそ4時間40分です。特急きのさきは京都から福知山、豊岡、城崎温泉へ走ります。特急こうのとりは、同じ北の区間を新大阪から走ります。特急の座席はすべて事前の予約が必要です。
大分が違って感じられる理由:源泉5,094
日本には2,839の温泉地に27,899の源泉があります。大分県だけで5,094を占め、全国1位、2位の鹿児島2,735をほぼ倍近く引き離しています。比べると神奈川(箱根)は602、兵庫(城崎)は443です。源泉というのは湧出口のことなので、この数が示すのは地面から湧き出す湯の多さで、入浴できる場所の数え方とはまた別の物差しです。
別府地獄めぐり:共通券、時間、配置
七つの地獄すべてに入れる共通観覧券は、大人2,400円、小中学生1,200円。購入日と翌日に有効で、各地獄1回ずつ入場できます。七つとも年中無休で8:00から17:00まで。うち五つは鉄輪で歩いて回れる距離にあり、血の池地獄と龍巻地獄は3kmほど先です。別府駅からの亀の井バスで鉄輪までおよそ20分、血の池地獄まではおよそ40分、390円です。
七つのうち四つは国の指定を受けています
海地獄、血の池地獄、龍巻地獄、白池地獄は、その色と形の多彩さから国の名勝に指定されています。地獄は100度近い源泉を眺めるための場所で、入浴施設ではありません。ただし、そのうち四か所には無料の足湯が併設されています。
別府地獄組合(公式)確認時点: 2026-08
別府八湯温泉道、地元の湯めぐり
別府の八つの温泉郷は、浜脇、別府、観海寺、堀田、明礬、鉄輪、柴石、亀川です。温泉道のスタンプ巡りにはおよそ150の施設が参加していて、「スパポート」と呼ばれる冊子に88か所のスタンプを集めると、温泉道名人に認定されます。
入る人たち自身の言葉で書かれた心得
温泉道は、参加者向けに10か条の心得を出しています。第5条は、湯船の設備に心を奪われず、味覚・触覚・嗅覚・視覚で湯そのものを判じ、それぞれの湯の個性を楽しむことを求めています。第4条は、自分をお客様だと思わないこと。共同の湯では、よその家のお風呂にお邪魔しているのだからです。第2条は、熱いと感じたら、水を足す前に声に出して言うこと。水道水を入れると、みんなの分の温泉の成分が薄まってしまうからです。第8条は、88か所を回りきっても、別府の2,848の源泉のごく一部にすぎないと記しています。

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